元祖神の雫の造り手たち
【ブルガリアNo.1ワインに選出】
ブルガリアのトラキアバレー北東部にあるニコラエボ村に、彗星のように現れた家族経営のワイナリー「ロシディ」。
エドワルド（エディ）とロシー夫妻の名前を取って名付けられたこのワイナリーは2005年に設立され、初リリースとなる2008ヴィンテージがいきなり評判を呼びました。
ロシディのブドウ畑は、石灰岩と粘土が合わさった土壌。標高300mにあり、風が強く冷涼な空気に包まれています。また、昼夜の寒暖差も大きく、ブドウ造りに最適な環境です。
ブドウ畑の天然酵母を使い、自然の摂理を大切にして造られたワインは、エレガントでピュア。旨味の乗った滑らかな果実味で、帝王アンジェロ・ガヤ、著名ワインジャーナリストのジャンシス・ロビンソン、アカデミー・デュ・ヴァン創設者であるスティーブン・スパリュアなど、ワイン業界の重鎮達にも高く評価されています。
夫妻と共にロシディの屋台骨を支えているのが、オーストリアやニュージーランドで研鑚を積んだ醸造家ピーター・ゲオルギエフで、ロシディが理想とする繊細でエレガントな味わいを日々追い求めています。
近年ワイン専門誌
DIVINO（ディヴィーノ）で、オレンジワインや固有品種のマヴルッドがブルガリアNo.1ワインに選出されるなど、今ブルガリアで最も期待されているブティックワイナリーとなっています。
【伝統とモダンの融合】
ニコラエボ村はトラキア人が3000年以上前からワインを造っていた場所で、ロシディはこのワイン造りの伝統を継承しつつ、ワインに個性的なタッチを常に加えています。
こだわりはワインラベルにも。ロシディのワインラベルは、オーナーのエディ自らがデザインしたものです。もともとはアーティスト志望でグラフィックデザインの仕事
をしていましたが、妻であるロシーの学士論文「ワインラベルは客の購買にどのような影響を与えるか」に影響を受け、ワインに夢中になってしまいました。
その後はロンドンのWSETディプロマを取得し、ブルガリアで初となるWSET公認の「Wine＆Spirits Academyブルガリア」を設立しています。
【ボヘミアンラプソティ】
自分のワインを音楽に例えると？という質問には、「クイーンのボヘミアン・ラプソディだ」と答えています。古い形式のラプソディが刻々と変化してモダンな旋律になる、伝統とモダンの融合、多層的で自由自在に広がるクイーンの傑作と、自分の理想とするワインのイメージが重なったそうです。
【ノーマンズランド】
ブルガリアとギリシャの国境の北、長年人が立ち入らなかったためノーマンズランド(NO MAN’S LAND)と呼ばれる古代トラキアの地に、クリストフ・トリリンスキーが確固たる信念と共に2004年カタルジーナを立ち上げました。
自然や人間を愛するトリリンスキーは土壌、陽光、微風、心象、そういった森羅万象の顕れとして葡萄を捉え、その最高の部分をワインに転化することに心血を注ぐことを決意しました。
ワインは神からの贈り物―カタルジーナワイナリーではトリリンスキーの信念を受け継いで、信心深いスタッフは常にこのことを念頭に置いて働いています。
ワインの神、ディオニソス（バッカス）は、トラキアで崇められていた酒神が起源となっています。ノーマンズランド、現在のシビレングラッド（Svilengrad）では数千年前にも古代トラキア人がワインを作っていました。
このノーマンズランドでワイン作りがはじまったのは偶然ではなく葡萄にとって最適の風土が整っていたからです。温暖な気候で、冬も気温が下がり過ぎず年間日射量はブルガリアで最大です。
ブルガリアとギリシャ/トルコの国境ゾーンとして手つかずの自然が残されており、近くのメゼックにはワイン作りで名高い古代トラキア王の古墳があって、この地が選ばれたワインの地であることを物語っています。
５５０haのワイナリーには、メルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、マヴルッド、マルベック、シラー、テンプラニーリョ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなどの品種がそれぞれにあった土壌で育てられています。
１haあたり4130本の葡萄の木を2.2m幅の畝に1.1m間隔で植え高いクオリティーを維持しています。
ワイン作りは古典的な方法と近代的な設備を組み合わせて行っており、良質な葡萄を選別し、手で摘み取りフレンチオーク樽等で発酵・熟成させます。
【双子の奇才醸造家の夢】
ワイナリーの屋台骨を支えているのは若き醸造家スビレン(Svilen)とイワン(Ivan)の双子のキショフ兄弟(Kisiov)です。
ノーマンズランドの古代から連綿と続くワイン造りの伝統を継承し、再びこの類まれな歴史を持つトラキアのワインを世界に知らしめるのがかれらの夢なのです。
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